【選挙前だからこそ】ヒトラーとナチ・ドイツを読んで


本日は久しぶりに本の紹介をしたいと思います。その本とは、「ヒトラーとナチ・ドイツ」です。

 

20世紀初頭、欧州随一の文化大国・経済大国として、日本をはじめ世界各国から数多くの留学生を受け入れ、西欧文明をリードする立場にあったドイツ。そのドイツで、民主主義を公然と否定し、ユダヤ人憎悪を激しく煽るヒトラーとナチ党が大衆の支持を得て台頭し、ついに政権の座につく。

国政選挙の年代別投票率は、平成29年10月に行われた第48回衆議院議員総選挙では、10歳代が40.49%、20歳代が33.85%、30歳代が44.75%(全年代を通じた投票率は53.68%)と諸外国と比較をすると投票率が低いといわれる日本。「無関心」がいかに危険であるかということを改めて教えてくれる本です。

1933年にヒトラーは政権を獲得。その後、国会に拠らず自らが法律を制定できる「授権法」の制定によって独裁政権を確立させます。その影響は直ちに社会に影響。死刑執行法という近代の罪刑法定主義に反した事後法による人の処罰を可能にした法律、地方分権の解体、諸政党の解体=ナチ党以外非合法化などおびただしい法律が制定され、たった半年の間にワイマール憲法が葬り去られます。

国民は、こうした現状をどう捉えていたのか。

基本的な人権が蹂躙されつつあったのに国民から声が上がらなかった要因の一つとして、「仕方がない」とあきらめ、事態を容認するか目をそらしたことがあります。

裁判制度が骨抜きにされ、次々と反対派が逮捕されていく中でも彼らは国民の中でも少数派。「ヒトラーを支持しておけば安心」、「基本権が停止されても、共産主義や社会民主主義のような危険思想に染まらなければ弾圧されることはない」といった甘い観測や思い込みが、徐々に人々の態度を変えていきます。

ゲッペルス宣伝相による「プロパガンダ」によって「親しみやすいヒトラー」、「ヒトラー=人民宰相」といったイメージの定着、不都合な真実の隠蔽などといった影響もありますが、次第に国民の中でヒトラーは「救世主」として国民統合の象徴となっていきます。

失業率の問題解決、ベルサイユ体制の打倒といった華々しい成果の陰で、政治犯の人、ジプシー、そしてユダヤ人に対して公然と人権侵害がもたらされていました。

 

さて。現代社会に生きる私たち。確かに、自分の1票だけで世界を変えることは難しい。それでも、自分は選挙に行って意思表示をします。「無関心」はいけない。

 


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